わたりの「FUGURO」

わたりの「FUGURO」ができるまで

かつて亘理に暮らす人たちは、感謝の気持ちをあらわして、相手になにかを手渡す時には、着物の残り布で仕立てておいた〈袋〉に入れていました。たとえばそれは農家の方がよそへお土産やお返しとして用いた1升の米であったそうです。 特に定まった呼称はなく、今でも「ふくろ」がなまって、ただ「ふぐろ」と呼ばれています。
2011年の秋、震災により建物を取り壊すことになった亘理町内の呉服店からゆずっていただいた昭和の時代の古い生地を使い「ふぐろ」を再現したのが、このプロジェクトのはじまりです。
2012年より、各地での復興支援バザーなどへ出品の受注をきっかけに、まとまった数の製作を始めました。その後各方面からご提供いただいた着物地を材料として製作を続け、デザインに工夫を重ね、縫製や仕上げの技術を進化させてきました。現在では各種イベントやデパートなどでも販売するようになり、多くの方々の支援に支えられながら一歩ずつ前へ歩みだしています。

昔ながらのゆかしい風習にならい、大切なものを包み、贈る、 その感謝のこころを伝えていきたいと思っています。
引地 恵
一般社団法人WATALIS